大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24新(れ)351 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中弐百拾日を本刑に算入する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人村田善一郎の上告趣意一点について。

論旨は憲法違反だとはいつているが、その実質は訴訟手続違反を主張するに過ぎ

ない。されば、明らかに刑訴四〇五条に該当しない。そして、起訴状記載の被害者

の姓が誤記であり且つ起訴状に被害場所の番地を記入せず又はその被害場所居住主

の氏名の記載等が間違つていても、公訴事実若しくは訴因に変更を来すものではな

いから、原判決には訴訟手続違反も認められない。

それ故同四一一条を適用すべきものとも思われない。

同二点について。

所論は、結局第一審裁判所の裁量に属する証拠の取捨及び審理の範囲、程度を非難

するに帰する。されば、明らかに上告適法の理由ではない。

同三点について。

所論のように各証人個別に宣誓書を朗読せしめたか否かのごときは公判調書の記

載事項でもないし、また、これが記載を欠くからといつてその手続が行われなかつ

たとはいえない。そして、原審公判調書に「証人に別紙宣誓書により宣誓させた」

との記載があり且つ所論の証人が各別に署名押印した宣誓書が現に記録中に存在し

ているのであるから、所論の証人が各別に宣誓をしたことは明白である。従つて、

仮りに所論のごとく宣誓書を朗読させなかつたとしても宣誓行為に影響を及ぼさな

いことも明白である。されば、所論は、その前提において採用できない。

なお上告趣意書補充の申立は上告趣意書提出期間経過後の提出に係るからこれに

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対する説明を加えない。

被告人本人の上告趣意について。

所論は、第一審裁判所の裁量に属する証拠の取捨を非難しその事実認定を攻撃す

るものであるから、上告適法の理由とは認められない。

よつて、刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項及び刑法二一条に従い

裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

昭和二五年一〇月一九日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 岩 松 三 郎

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